日本の発酵食品と切っても切り離せない麹菌(こうじきん)。
味噌、醤油、酒はもちろん最近では化粧品など様々なところで耳にする機会が増えてきています。
当たり前に聞くけど、曖昧なイメージの麹菌を今回は少し掘り下げて説明していきます。
麹菌は有用なカビの一種
そもそも麹菌とは麹をつくるための使用される有用なカビを総称して呼んでいます。
総称なので色々な種類があり、代表的なものとして
①「アスペルギルス オリゼー(Aspergillus oryzae)」→味噌・清酒で使用
②「アスペルギルス ソーヤ(Aspergillus sojae)」→醤油で使用
③「アスペルギルス ルチエンシス カワチ」→焼酎で使用
などがあります。
麹菌はカビの一種で、日本をはじめ湿度の高い東アジアや東南アジアにしか生息していません。また麹菌を使うのは日本だけで、日本の「国菌」にも認定されています。
麹菌の酵素が重要
麹菌はたんぱく質をアミノ酸に分解する「プロテアーゼ」や、でんぷんを糖に分解する「アミラーゼ」、脂質を分解する「リパーゼ」をはじめ、たくさんの酵素を生成します。
その酵素のはたらきによって素材をやわらかくしたり、発酵食品の旨みや甘味を引き出すなど使われています。
ただ実は種類もたくさんあり、味噌や清酒など様々な発酵食品でも使われる「アスペルギルス オリゼー」で考えも
A:アミノ酸を分解する「プロテアーゼ」をよく生み出すやつ
B:でんぷんを分解する「アミラーゼ」をよく生み出すやつ
など特性の違いによって実は醸造メーカーは使い分けていたり、混ぜていたりします。
麹菌と麹の違い
似たように使われる言葉で「麹菌」と「麹」という言葉があります。
実はこの2つの言葉は指すものが全く違います。
「麹菌」は今まで説明したきたように、目には見えない菌自体そのものを指します。
では菌という文字が取れて「麹」と呼ぶ場合、何を指すかというと
麹菌を繁殖させた米、麦、大豆などの穀物(培地)自体の事を指します。
例)米に麹菌を培養すると「米麹」、大豆に麹菌を培養すると「豆麹」
麹菌から考える発酵食品の効果
健康や美容の面でも注目される麹菌を使った発酵食品には
①でんぷんやたんぱく質が分解され体内での消化・吸収が効率が高い
②酵素によって生み出されるオリゴ糖をエサに腸内の善玉菌が活性化し、腸内環境がUP
③麹菌は豊富なビタミンやミネラルなどの栄養素をつくり、疲労回復や美容促進
など麹菌のお陰で様々ないい効果があると言われています! プロが教える味噌作り教室の予約