秋も終わりを迎え、蔵の中も少しずつ冷え込んできた先週末、11月度の味噌作り教室を味噌蔵で開催しました。
3年前から始めた味噌蔵での「みその学校」も最初は私が中心で始まりましたが、少しずつ他の蔵人にも手伝ってもらったり、分担して行うなど色々いい変化が生まれてきました。
2年前に入った初の女性蔵人の堀木さんは、材料の準備など裏方はもちろん少しづつ味噌の勉強のパートを担当したり頼もしく育っています。
私も当初は試行錯誤の連続でしたが、味噌屋として味噌の作り方は分かっていも、味噌の作り方を人に「伝える」というのとは全然違います。
頭や身体で分かっている事を「言葉」にして皆さんに分かってもらうというのは本当に難しいです。
また普段やっている多くの量を仕込むという事と少量を仕込む事での違い、蔵と家のように環境の違いなど、実は細かい部分では違いがあります。
そういった意味では、味噌屋としても普段行っている味噌仕込みとは違う観点で味噌を知って学ぶことが出来るなーと本当に感じます。
味噌作り教室のテキストに書いてあることは、ポイントや基本でもちろん重要な事です。
でもそこに書いてない部分(お話しのみの部分)は、蔵人ごとに少し内容が違います。
そこにはそれぞれの蔵人が経験した事、感じた事などそれぞれ自分の経験を生かした話しをしています。
3代目、4代目、蔵人、女性蔵人、みんながそれぞれ持っているストーリーは当たり前に違います。
味噌作り教室を始め、他の蔵人もやるようになった今一番大事にしたいのはそこ。
情報はテキストやネットを見ればありますが、そこは味噌蔵に来て顔と顔を合わせてお話しさせてもらわないと感じる事ができない面白さであり温かさだと思います。
手作り味噌の主役は「あなた」です。
「あなた」が仕込んだお味噌の「あなた」だけのストーリーをぜひ楽しんで下さい。