麹っていうと多くの方はお米からできた米麹を想像される方が多いと思います。
米どころ日本なだけあり、全国で作られており味噌を始めお酒などにも使われる事から一番メジャーであるのは間違いありません。
ただ味噌を仕込む場合、お米から出来た米麹以外を使う地域やそれによって生まれる特徴的なお味噌もあります。
前提として
「麹」=「何かしらの穀物にコウジカビなど食品の発酵に有用なカビを繁殖しやすい温度・湿度などの条件下で培養したもの」
という事を理解していただいて、
今回は日本の味噌造りに使われるメインとなる3つの麹を用途を踏まえてご紹介!
一番メジャーな麹「米麹」
「米麹」は、味噌・酒はもちろん家庭でも甘酒・塩麹など色々な用途で使われている一番メジャーな麹ですね。
原材料は、「お米」と「麹菌」で蒸したお米に麹菌を培養して出来上がったものが米麹になります。
見た目はお米みたいですが、お米の表面にびっしり麹菌が生えているイメージです。
〇用途
米みそ
日本酒/みりん/酢
甘酒/塩麹
〇種類
生麹
→水分を多く含んでいて傷みやすく冷蔵or冷凍販売
乾燥麹
→低温乾燥で水分を飛ばしているので常温販売可能
板麹
→麹菌によって繋がった状態(板状、かたまり状)の麹
バラ麹
→板麹を使い易いようにほぐした麹
かなりレアな「豆麹」
「豆麹」は、東海地方を中心に味噌やたまりなどで使われる麹です。
原材料は「大豆」と「麹菌」で蒸した大豆に麹菌を培養して出来上がったものが豆麹になります。
ただプロが使う、みそ玉製法豆麹(玉状になった豆麹)は一般販売される事は無く、一般の方が見る機会はほとんど無いレアな麹です。
〇用途
豆みそ(赤みそ/八丁味噌)
たまり醤油
〇種類
みそ玉製法豆麹
→玉状になった豆麹で、味噌作りにおいて麹+原材料として大豆という2つの役目を担う
*みそ玉製法豆麹で豆みそを仕込む場合、残りは「水」と「塩」のみ
豆麹(バラタイプ)
→玉状にせず米麹と同じようにバラバラの大豆に麹をつけて出来た豆麹
*豆みそを仕込む際に、別途用意した水煮大豆と合わせて使うなど基本の役目は麹
The 九州「麦麹」
「麦麹」は、九州や中四国の一部を中心に味噌に使われる麹です。
原材料は「麦」と「麹菌」で蒸した麦に麹菌を培養して出来上がったものが麦麹になります。
通常の味噌以外だと野菜につけて食べる金山寺みそ的なものにも使われる事があります。
〇用途
麦みそ
金山寺みそ
〇種類
生麹
→水分を多く含んでいて傷みやすく冷蔵or冷凍販売
乾燥麹
→低温乾燥で水分を飛ばしているので常温販売可能
今回紹介した3つの麹は、実は日本の味噌を知る上で重要な要素です。
どんな作物が取れるか、その地域の気候に合わせて日本ではこの3つの麹を地域毎に使い分けてきました。
そして原材料の配合や熟成期間など更に他の要素が組み合わさり、多様な味噌が日本に生まれ発酵文化を醸成してきています。
ぜひこれからお味噌を仕込む方や興味を持った方に知っていただけたら嬉しいです。