「みそ汁の美味しい作り方を教えて!」
「みそ汁を作るのがムズカシイ・・・」
みそ作りを教えているとちょいちょい聞かれます。
うちのばあちゃんやその年代の方は、みそ汁ほど簡単で栄養のある料理は無いとよく言ってたのを覚えてます。
ばあちゃんがみそ屋だったので置いておいても、簡単といわれていたみそ汁がなぜ難しくなったのか!?を考えてみます。
前提:料理をしなくなったは今回は置いておきます
最近は、
「外食・中食が増えて料理しない」、「食の西洋化で和食を作らない」=「みそ汁を作らないから」
っていうのをよく聞きます。
でも何回も作った事がある人でも、「味が定まらない」「ムズカシイ」と言われる人がいるので、食生活の変化は一度置いてみそ汁にフォーカスして考えてみました。
1、味噌の個性(味)はそれぞれ全然違う!
みそは、同じ名前の「みそ」でも地域によって作り方や原料の配合など全然味が違います。
*味噌の定義は、かなり乱暴に言っちゃうと
大豆(必須)に米、麦、塩を混ぜて発酵熟成させた半固体状のモノ
つまり大豆やこうじ菌を使うという縛りはあるものの、材料の配合や熟成期間などに関しては特に縛りがありません。
という事は、実は同じみそでも縛りが無い部分の影響で味や風味に違いが生まれます。
味噌の味に影響を与える違いの簡単な例をあげると、
1、食塩量の違い(塩辛さ)
地域や種類によって5~13%と約2倍以上の違いがアリ
2、麹歩合(甘さや香り)
麹歩合(甘さや香りに影響する大豆と米こうじや麦こうじの配合比)も比率が1:0.6~1:3と約5倍ぐらいの違いアリ
*豆みそは特殊なので除外
3、熟成期間(色やコク)
熟成期間も短いのは1週間~3年と全然違います。
スーパーに売ってる商品のパッケージからは分かりずらいですが、味に影響を与える簡単な違いだけ見ても商品によって実は全然違います。
そしてその違いが分かりずらいというか、分からない・・・ここが問題ですね笑
2、だしの影響も・・・
だしの入っただし入り味噌もありますが、パックや粉末、乾物からだしをとっている方も多いと思います。
この”だし”って言うのも実はかなりくせ者です。
かつお節や昆布などの素材はシンプルなのですが、だしパックや粉末調味料などは、だしの中に食塩が入っているものも多くあります。
これが少し入っているってレベルじゃなくて、実際は主原料が塩でそこにだし要素(風味原料や化学調味料)を足したって感じのものがけっこうあります。
*原材料表記を見れば分かりますので、またの機会にこれは触れます
つまりみそ汁にだしをたくさん入れたと思ってると、実は食塩(塩辛さ)を知らないうちにたくさん入れて、考えているよりもしょっぱめになっている事があります。
まとめ
【昔(数十年前)】
近い地域で作られた似た配合の味噌や自分で作った味噌を食べており、手に入る味噌に大きな違いがあまり無かった
→同じような種類の味噌なので大きな違いが無く同じように使っても差が出ない(味が安定する)
【現在】
どこでも色々な種類のみそが買えるようになった結果、選択肢の幅が増え、製法・原料の配合など様々なみそを知らず知らずのうちに使ってる。
まただしも同様に色々な種類がある。
→特徴や違いを知らずに色々な味噌を同じように使うと味が定まらない(ムズカシイ)
まずはいつもと違う味噌を買ったら、初めて使う時は”違い=個性”がある事を理解して、ちゃんと味見して好みを見つけて下さい。
しっかり伝えきれていない私達味噌業界が根本イケてないですけど・・・すいません。。
お店でのみその見分け方(塩分編)や原材料表記の見方はまたどこかでアップします!