日本で古くから醸造業において重要な容器として活躍してきた木桶。
元々はスギやヒノキなどを使った木製の桶が、当たり前でしたが時代の変化と共に金属やプラスチックの容器での醸造に切り替えられていきました。
日本酒は0.1%以下、醤油は1%以下、味噌は5%以下と言われてます。
なんとか木桶仕込みが生み出す奥深さや醸される旨みを未来に残したいと、色々木桶再生やトーキョーバレルプロジェクト、クラウドファウンディングをしたOTEMAEなど色々ここ数年やってきました。
アイルランドでウイスキー飲みながら
そんな中、昨年アイルランドに行った際にあるウイスキーの会社に行きました。
そこにはサイズと形は違えど、木樽文化が残っていました。
色々なウイスキーをテイスィングさせてもらっている時、ある事をふと思いつきました。
味噌が出来た時に出来る液体「みそだまり(みそたまり)」は味噌と醤油の間のような液体で、さらに熟成させてみたいなーと思ってました。
でも味噌を仕込んでる木桶はあまり「液体」を「熟成」させるのには向いてないけど、ウイスキーやワインを熟成させるような容器が日本の木材と木桶技術で出来れば面白いやん!
という事で「液体」を「熟成」させる木樽をとりあえず日本でやってみよー(酔ってたのでノリは軽い感じ)
木桶職人と打ち合わせ
日本に帰ってからは、色々プロジェクトでお世話になっている久田さんに相談。
「液体を熟成させる容器を考えているのですが・・・」
「ワインとかウイスキーを熟成させるような密閉された形の木樽って木桶の技術で作れます?」
毎度、変なお願いばかりしてるので慣れた様子で
「少し考えながら、やってみます笑」
木材を曲げる大変さ
通常使う(作る)木桶では、底が一枚で下に向かってすぼんだ円柱になってます。
*木桶には通常、蓋という概念もありません
でも今回の熟成木樽(上の写真)は、木材を意図的に曲げて両端に蓋(底)をはめて、それを箍で止めるという事がかなりの難しいキーポイントでした。
海外では、直接火であぶって柔らかくしながら曲げていきますが、スギは燃えやすく直接あぶれないので違う形で温めながら少しずつ曲げました。
無事に第1号となるプロトタイプの完成!
かっこいいやん!
手作り味噌に合わせたクラフト木桶が出来た時と同じ感動!
そしてスペシャルに設置台も作ってくれました!
あとはこれに「みそたまり」を入れて、熟成させながら使用感を見ていきます!