手作り味噌やスーパーで買った味噌など、家に置いておく(熟成が進む)と自然に色が濃くなっていきます。
悪くなったの?
傷んだの?
味はどうなるの?
など心配される方も多いかと思いますので、今日は色が変化する理由を少し解説しようと思います。
なぜ色が濃くなる!?
まず味噌の色の変化(濃くなる)は基本的に時間の経過と共に起こります。
そしてこの色が濃くなる事を「メイラード反応」と言います。
メイラード反応はざっくり言うと、糖とアミノ酸が反応して「メラノイジン(褐色物質)」を生成するという事です。
つまり味噌の中で「糖+アミノ酸→メラノイジン(色を濃く見せる物質)」という反応が起こった結果色が濃くなります。
また味噌の独特の味や香りにも大きく影響しています。
因みに発酵の影響で色が濃くなるというのは少し間違いで、発酵(微生物やその酵素の力)によって分解(炭水化物→糖、タンパク質→アミノ酸)した後、その発酵によって出来た糖とアミノ酸が自然に反応するのがメイラード反応になります。
実は身近なメイラード反応
実はこのメイラード反応って皆さんの身近にもたくさんあります。
例えば・・・
・肉を焼くと色が肉の色が濃くなる
・たまねぎを炒めると茶色くなる
急に身近になりますよねw
上のような例は、加熱する事で急激に短時間でメイラード反応が起こった結果、色が濃くなったという感じです。
温度も重要!
肉やたまねぎの例で加熱するとと書きましたが、実は温度も重要なファクターだったりします。
味噌造りの経験則からなのですが、温度が高くなるとメイラード反応は早く起こるようになります。
逆に冷蔵庫や冷凍庫の中のように温度が低いと、ゆっくりというかほとんど褐変しないというように熟成や保存している温度の影響も大きく受けます。
つまり手作り味噌で考えると、色が濃い赤系の味噌にしたい場合は常温で熟成を進めないと色の変化は無く、逆に色を濃くしたくない場合は低温で保存するという感じです。
老化を防ぐメラノイジン
色が濃い味噌に含まれる「メラノイジン」
実は非常に抗酸化作用が高いと近年注目を浴びる機会も多いです。
老化の原因は細胞脂質が酸化して過酸化脂質が発生する事ですが、このメラノイジンが老化物質である過酸化脂質の生成を抑える結果が研究から明らかになってきました。
色が濃い味噌は見た目で敬遠される事もありますが、実は体にいい影響を与えてくれるんですよ。
手作り味噌は育てている皆さん、一番分かりやすく変化するのは色です。
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