先週7/5にTokyo Barrel プロジェクトで東京にて再生する木桶の解体の日を迎えました。
*Tokyo Barrel プロジェクトとは→こちら
今回解体したのは、100年以上に渡って味噌桶として活躍してくれた桶です。
この桶、味噌で約12トンぐらいを一回に熟成させる事ができますが、単純計算で約100年の間におみそ汁4000万杯分の味噌を作ってきた事になります。
途方も無いです・・・
今回はあまり無い機会なので、木桶の解体を説明しながら、木桶に込められた桶職人の伝統技術も少し紹介していきます!
*解体動画はページの最後にあります
1:木桶の設置(裏返し)
まずは通常底板が下側になるように設置されていますが、解体していく際は裏返し(底板が上)にします。
このサイズ(木桶の重さだけで数トン)になると人間の手では厳しいので、リフトを使いながらゆっくりと裏返します。
大型の熊でも捕まえる罠です、これw
2:板材に番号振り(再生用)
これは通常の解体だと無い作業ですが、再度組み立てたり、再利用する際に隣どおしの横板(側面の板)が分かるように、順番に番号をふっていきます。
なんでわざわざこんな作業をするかというとこなんですが、木桶の板というは実は全部形が少しずつ違います。
出来上がった形はきれいな形をしているので、あまり皆さん気付きませんが実は形が違う板を組み合わせてあの形を組み上げるという職人の技術が隠れてるんですよー。
3:たが&底板外し
次に桶をあの形にしている「たが」(桶の側面にあるまわしみたいなやつ)を外します。
このたがは竹でできているものもあれば、金属のもの(後付け)もありますが、どこか一部分を切断すれば外れるので1個ずつ"下から"外していきます。
桶の底板は、実はこのたがのみで留められているので、たがを順番に下から外していくとある時点で底板が外れます。
最後の方はいつ底板が落ちるか分からないので、ドキドキです!
*この辺が下に動画があるので実際に見て下さい
4:横板倒し&バラし
たがと底板が外れたら一度、たがなどは片づけてもうギリギリ形を保っている横板をリフトの爪で倒しながらバラバラにしていきます。
実際は人間が押しても倒れるぐらいですが、あぶないのでリフト使ってます。
*動画が分かり易いです
横板同士は実は竹釘と言われる、竹製のくぎ(下記画像)みたいなものだけで繋がっています。
桶を作る職人は、金属に頼らず木をフル活用して桶を作ってたんです。
倒した横板はまだ繋がっていたりするとこがあるので、それをひとつずつバラシて木桶の解体は終わりになります。
4人+リフト2台で準備・片付け入れて2~3時間ぐらいです。
今回は、解体まででしたが今後はこの桶から生まれた木材を愛知で磨いたり少し加工して東京(神奈川経由)でもっていきます。
長い間、味噌桶として活躍してもらってホントご苦労様、ありがとうございましたという気持ちと同時に今回のプロジェクトで次の新しい役目が出来るので、新たな場所で活躍してもらいたいなっていう気持ちでいっぱいです。
そして実際に解体をして分かるけど、今みたいに機械や便利な道具が無い中で工夫しこんな長持ちする木桶を作った当時の職人や技術は、ほんと凄いなーと再確認させられます。
まだプロジェクトの序章、引き続き頑張っていきます。
東京への運搬は私の役目なのでドキドキ~