上の画像は同日・同配合で仕込んで同じ環境に置いておいた味噌ですが、片方(右側)はカビが表面一面に生えています。
左は味噌の表面にカビなど生えていないキレイな状態です。
*表面にカビ対策のお塩も両方振っていません
この違いはどこから生まれるかを今回は解説していきます。
手作りみその発酵・熟成中に多くの方が一番気になるのは「みそのカビ」 *カビを実際に取り除く作業の解説動画はページ下部にあります お家でみそを仕込んでいたら表面にカビのよ ... 続きを見る
たぶん多くの方は生えたら嫌だなと思うと思います。
生えたら失敗!な訳じゃなく、生えてもしょうがない部分もありますし対処の仕方も全然あります。
*カビが生えて味噌全部がダメになるという事はほぼ無いです。対処方法は以下のページにまとめてあります。
手作りみその表面にカビが生えた時の対処法
では生えずらくするにはどうしたらいいかというと・・・
何かを「一律にこれで対処」という前に、カビはどんな条件が揃うと増殖するかを理解すると柔軟な対処が分かります。
そして私たち醸造に関わるものは、麹造りという名のもとで麹菌(人間に有用なカビの一種)を日々を増やしている経験が生きてきます。
カビの生える(増殖する)条件
まずカビが生える(増殖する)3大条件としては「温度」「水分」「栄養」「酸素」が揃っているという事になります。
この中で味噌作りに限って言えば、「温度」「栄養」「水分」は仕込んだ後にはコントロールがあまりできない部分。
温度:低いとカビが生えずらくなりますが、生えやすい温度(20~30°)は発酵の進みやすい温度帯でもあるので下げることはあまり出来ません
水分:仕込んだ味噌には最初から程よく水分があり、発酵を進める要素でもあるので無くすことも出来ません
栄養:味噌の原料の大豆やお米は栄養豊富。ただこれも原料なのでどうする事もできません。
*原料の塩は味・栄養、そして「保存性」を上げるために入っておりお塩の力で味噌は長持ちします
カビの増殖をさせないポイントは「酸素」
では味噌作りにおいて重要なポイントになってくるのは「酸素」です。
まず熟成中の味噌でカビは生える可能性があるのは味噌の表面(空気に触れる部分)になります。
*味噌の中心(空気に触れない部分)などにカビは生えるのは塩の量が間違っているなど他の原因です
つまり味噌の中心部は味噌が詰まっていて酸素が無いのでカビは生えませんが、空気に触れやすい表面は酸素がり条件が揃いやすくなります。
なので仕込んだ容器などや状況もありますが、「味噌と酸素を触れさせない対処」がまず手作り味噌であれば重要なことになります。
以下、徹底してほしいことを容器毎に少しお伝えします。
桶型容器(タッパー):味噌の表面を「ピタッと」ラップで覆う。特に縁の方はラップがめくれたり隙間が空きやすいので要注意。
袋型容器:仕込んだ後、袋の空気をしっかり抜く。途中で発酵のガスが出て袋に空気が入る易くなったりするので途中で何度か空気を抜いてあげる。
上記のように、カビの増殖に必要な酸素を与えないことでカビは各段に生えずらくなります。
*みそに有用な微生物は嫌気性菌(酸素必要ない)ので安心してください。
この点を徹底できるかどうかで、ほんと変わりますので皆さんぜひ気を付けて美味しいお味噌を育てて下さい。